福岡県看護協会ニュースのVOL87秋号に掲載された記事より タイトル 訪問看護の今 在宅での看取り 平野賴子 最近、「家で死にたい」と自らの意志をはっきりと言われる高齢者の方が増えてきました。 Tさんもその一人です。夫を亡くされた後、99歳の今日まで介護を受ける事なく一人暮らしをされていましたが肺炎と膝関節の炎症で動けなくなり、主治医より入院治療を勧められても、「家がいい」と入院を拒否されました。娘さんも母親の気持ちを尊重したいと在宅療養を希望されましたが、介護の経験のない不安から訪問看護が開始になりました。 Tさんは訪問看護師の入浴介助を大変喜ばれ、毎日訪問を楽しみにして下さいました。 徐々に食事摂取量も少なくなり、ベッド上でのケアが中心となってきた時、娘さんに在宅での自然な看取りができる事を説明すると大変喜ばれました。点滴等の医療処置も本人の希望ですることなく、本当に穏やかに旅立たれました。亡くなられた時のTさんのお顔は凛として美しく、ケアを行った私たちに感動を与えてくださいました。 娘さんから「母親と子供の頃の思い出話をしたり好きな歌を一緒に歌ったりいい時間を過ごす事が出来ました」と感謝の言葉を頂きました。
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